人間の体というのは、放っておけばどんどん健康になってゆくものである。言いかえれば、生き物としての本来の体の状態へ戻っていく・・・野生動物が風邪をひいた、というのもあまり聞いたことがないし、お医者さんもいない。つまり、人間の本来の健康状態というのは、もともと現在のようなものではなく、なにものかが、人の抵抗力や自然治癒力を弱めているのである。
風邪さえひかない、病気に縁遠い人たちは、自分の体が健康というだけで、どれほど気分が愉快になって、毎日が楽しく感じられるかをよく理解しているだろう。だれもが、本来の健康を身に付けたなら、「これが本当の人間の体か!!これが、本当の健康というものか!!」と目からうろこの感動を味わうことだろう。
さて、それではいったい、何が人間本来の健康を奪ってしまったのか?抵抗力や自然治癒力を弱めてしまったのか?
本来、食べ物とは、人間の健康を正しく維持し、体と精神をよりよく成長させるはずである。しかし、年々増大する医療費が示すように、現代人の弱りゆく体と病んでゆく精神。人々の健康は、もはやこの世の中から消え失せてしまったか、と思われるほどの悲惨な状態。
人間の本質とは、精神である。そして、精神を最大限に働かせるのが、正常で健康な体である。正常な体であってこそ、精神がうまく機能するのである。運動不足による肉体のゆがみや縮み、間違った食生活による血や内臓の機能低下、本来摂ってはいけない物質の日常的な摂取、正しい人間の心を偽って生きざるを得ない、ややこしい現代社会のストレス。様々な要因が、我々の体をむしばんでいる。
人は、体が健康であってこそ、正しく精神が機能し、本当に素晴らしい人生が送れるのである。
本当に素晴らしい人生とは、「まわりの誰かが喜んで、幸せになること」だと思う。何かをもらったとか、何かが美味しかったとかいった、目先の簡単な幸せではない、人生や価値観が全く変わってしまうような、圧倒的な、その人にとっての最大限の幸せ。我々は、そんなものを、誰かにあげるべきだと思う。なぜならば、そういうことでしか、人にとっての最大限の喜びは、実現されないからである。
誰かから教えられるのではなく、日々の生活の中から感じとる真実。人は健康であってこそ、無限の精神を最大限に発揮できるのである。
乳製品や砂糖・果物といった陰性食品が、花粉症を悪化させるのは、牛乳(牛の血)、すなわち、牛の体液が人間の体には、都合がよくないからである。(ある部分が、一定の働きをするが・・・)症状とは、人間の自然治癒力の表れ、つまり、排出作用。健康にとって必要ないものは、体が実にうまく反応するのである。
人は、健康であるほど、抵抗力や自然治癒力が高いほど、排出作用がよくはたらく。人の体にとって、不都合な物質が、汗や熱、咳、湿疹などによって体外に排出される。現代人は、毎日排出された分以上の、体に不都合な食べ物をとっているので、体調がどんどん悪くなったり、症状がいっこうに改善されないのである。
体にとって正しい食事をとっていれば、不都合な物質が、体内に蓄積しないので、体は日々、どんどん本来の抵抗力を取り戻し、健康になっていくのである。
正しい食事とは、宇宙の秩序にのっとった、マクロビオティック食事法。これを基本とすると、体は変わる。食事をマクロビオティックに切り替えただけで、毎年のひどい花粉症がうそのようになくなった人が、まわりに何人もいる。