現代の世の中にあふれる食品というのは、
最低の品質を駆使してつくった、努力のたまもの。
「これ以上、品質を落とすと問題・・・」という、
ギリギリの品質の素材に、アミノ酸という人工うまみ成分を加え、
食べ物としてなんとか成立させている。
だから、食べ物という範囲の中では、品質が最低の部類。
素材にうまみが少ないから、
アミノ酸なしでは決しておいしく食べられない。
何しろ、企業はコストを抑えることが使命であるから、
お客さんから、文句の出ない範囲で価格の最低をめざす。
アミノ酸は、添加物であるが、現在、一般的には、
食品添加物とみなされない理由が、ここにある。
アミノ酸が、なくなると、世の中の食品業界はえらいことになるから。
自然食品や伝統食品の価格が、べらぼうに高いのには、
まっとうな理由があるのである。
アミノ酸が、なぜ悪いかというと、
伝統を守りながら、本物を作りづづけている生産者を苦しめる。
インチキの氾濫が、伝統を滅ぼすのである。
「価格の安いものは、おいしくない・・・」という、まっとうな
論理は正しいのである。
一般的には、「安いのにおいしい」というのは、何かがおかしい。
アミノ酸は、味覚神経を麻痺させ、軽い味覚異常をおこす。
もう、素材のうまみや甘みといった繊細な味が感じれなくなる。
濃い味付けや刺激の強いものしか、おいしいと思えなくなる。
「本当のおいしさ」の崩壊である。